全体8位 カーソン・フルマー RHP
(ヴァンダービルト大~CWS)
2018主要スタッツ
(MLB 9試合、うち先発8試合)
32.1回 ERA8.07 SO29 BB24 WHIP1.89
カーソン・フルマー投手は、ヴァンダービルト大で2014年に全米の大学野球ナンバーワンを決めるカレッジ・ワールドシリーズで優勝、翌2015年にはナショナル・ピッチャー・オブ・ジ・イヤー(いわゆるカレッジ版サイ・ヤング賞です)に輝くなど、素晴らしい経歴を引っさげて全体8位指名を受け、CWSに入団しました。以前の記事でこの年の上位の投手は苦戦していると述べましたが、そんな中ここまでTOP10内の投手で唯一メジャー昇格を果たしているのがこのフルマー投手です。
ドラフト指名を受けた2015年時点でのMLB公式のツール評価は
Fastball: 70 | Curveball: 60 | Changeup: 50 | Control: 50 | Overall: 55
となっていました(2016年ではControl:45)。93~97マイルのファストボールとパワーカーブで空振りを奪うことが出来、他に平均レベルのチェンジアップも投げる、とあります。
非常に小さなテイクバックから繰り出す4シームファストボール、パワーカーブ、チェンジアップのコンビネーションは非常にタイミングが取りづらそうで容易には打てないように見えます。が・・・
ホワイトソックスはフルマー投手をNo.2スターターとしてのポテンシャルがあると考えていたようですが、現在のところその目論見は成功しているとは言い難いところです。
初年度はRk、A+で9試合で23イニングを投げ、無難に結果を残します。そして翌2016年シーズン、AAで始まり17試合に登板すると、7月には飛び級で早くもメジャー昇格を果たします。しかし翌月にはAAAにオプションされ、10月に再び昇格を果たすもメジャーの舞台では8試合登板、11.2イニングでERA8.49という厳しい結果となりました。余談ですが、この年同じFulmer姓であるDETのマイケル・フルマー投手が26G、11-7、159IP、ERA3.06など素晴らしい成績を残し見事ア・リーグ新人王を獲得しています。ちなみに生まれた年も同じ1993年。
続く2017年シーズンはAAAで開幕を迎え、8月に1日だけメジャーに昇格し、その日に先発してすぐAAAに戻っています(Wヘッダー要員?)。そしてセプテンバー・コールアップで再度昇格すると、以降は4試合に先発するなど終わってみれば7試合23.1イニングを投げ3勝1敗ERA3.86とまずまずの成績を残しました。
そして迎えた今シーズン、開幕を遂にメジャーで迎えると先発ローテ入り。ですが、炎上と好投を繰り返す不安定な4月から、5月には3試合連続で炎上してしまいAAA行き。そのまま10月にはなんとか昇格するも登板機会はありませんでした。32.1イニングで三振29を奪うも、被安打数37(うちHR8)、与四死球29とかなり厳しい数字が並びます。来シーズンはメジャーでの開幕を迎えられるかどうかは微妙なところで、現在40人枠には名前があるものの背番号が割り振られていないという寂しい状況で、置かれた立場はなかなか厳しそうです。
冒頭に述べたヴァンダービルト大での経歴ですが、このときのチームメイトに全体1位指名のダンズビー・スワンソン選手(彼は2014年のカレッジ・ワールドシリーズで最優秀選手に輝いています)、LAD1巡目全体24位のウォーカー・ビューラー投手がいます。いずれもチームでの存在感を確固たるものにしつつあり、フルマー投手もこの2人に続きたいところです。
CWSはフルマー投手の他にもルーカス・ジオリート投手、レイナルド・ロペス投手、カルロス・ロドン投手など少し前のトッププスペクト達がいますが、いずれも前評判の割にはここまでイマイチな成績で、フルマー投手にとってはまだまだチャンスが残されていると言えそうです。しかし下には100マイル超えのマイケル・コペック投手はじめディラン・シーズ投手、ダン・ダニング投手などの有望株が多くいますので、結果が出なければ彼らに取って代わられる可能性も高いです。
25歳で迎える来シーズン、フルマー投手にとってはSTから正念場となりそうです。