『だってあんたら、真剣にやらんかったよな?』と嗤っている。そんな気がする。
99%うまくいっていても、最後の1%を完了できなければそれまでのことが全てひっくり返ってしまう。
野球の怖さであり、面白さでもあります。
言及するまでもなく敗因はクローザーの出来だったわけですが、大逆転を喰らう前に個人的に気になったシーンがひとつ。
その直前、8回ウラ2アウトから矢野選手が右中間に大きな当たりを放ちました。
ただ右中間を真っ二つに破ったというわけではなく、ややフライ性の当たりでフェンスに到達することなくライトがボールを捕球、そのまま中継に返球。
どこからどう見ても二塁打どまりのはずが、何を思ったか矢野選手は三塁突入、当然のごとくタッチアウトとなってしまいます。
これはいつも攻守ともに的確でハイレベルな状況判断を見せる矢野選手らしからぬ軽率なプレーでした。
確かにこのチーム状況、なんとか勝ちたい気持ち、焦りはあるでしょう。しかしそれが軽率なプレーに繋がってはいけない。
正直、あそこからちょっと嫌な予感はしていました。『今日の試合を勝つ』ことを考えたとき、あのプレーを選択するのか。
まあ、こんな日もあります。
栗林投手は投げている球自体には力がありました。フォークの制球がよくなかったことは確かですが、そういう日はこれまでにもあり、それでも抑えてきたのです。
いきなりの連続四球が最悪でしたが、その後吉川選手を追い込むまでは完璧で、ここを抑えればそのまま・・・という雰囲気ではあったんですよね。それだけに3球目を死球としてしまったのが痛恨、結果あそこが運命の分かれ道だったのかなと思います。
ただこの巡り合わせも運、ですよね。
ここ最近何度か書いている、新井カープの運の強さ。これまで運が良かった分の揺り戻しでしょう。
運がよかったうちに、課題解決の手を打っておかなかったこと。これに尽きます。もし今年勝ちにいくのなら、ということですけど。
もしも本気で勝ちにいくのなら、相手を上回らなければならない。戦力で上回れないのなら、何か戦力の上積みなのか、戦略なのか、戦術なのか、少なくともそのいずれかで相手を上回らなければならない。
そのどれもができていなければ、やはり野球の神様は味方なぞしてくれません。それがこの結果です。
今日は昨日の最後に書いたように、また同じ展開の繰り返しだろうと思っていました。
ですから先発のアドゥワ投手が本当によく頑張って巨人打線を抑えたこと、打線が攻略困難なグリフィン投手から先に得点を挙げたこと(ただし2点ともやっぱり運の良さが絡んでいる)に関しては期待を大きく上回ってくれたので、結果こそ酷いものですがショックはそこまで大きくはありません。よくやったと割と本気でそう思っています。
残りの1%だけまとめきれなかったね、と。逆にそこだけですから。
でもそこが最大の武器のブルペンだったので、残念というほかないですけど。
できることなら、明日すぐに栗林投手のリベンジの機会があるといいですね。