(2019/8/8 当ブログの釣りカテゴリーの記事は今後以下のリンク先にある別ブログにアップしていきます。今後とも、宜しくお願い致します。)
前回の記事にて紹介しましたチームダイワ通信と共に出てきたのがこちら・・・。
ハートランドZとCXのカタログ。
『3rd edition』とありますが、裏表紙に記載されている発行日は1999年6月。
ハートランドシリーズは97年にスタートしており、恐らく1年に1冊発行されていたのだと思われます。
今ではブランドが発足して20年が過ぎ、陸っぱりアングラーを中心に高い人気を保ち続けるハートランド。
この当時は98年頃に村上晴彦さんプロデュースの爆発的人気となるモデルをいくつかリリースし、その人気を確固たるものにしていた頃です。
『ソリッドパワースリム』『マグナムテーパー』『チューブラーパワースリム』という各コンセプトに基づいた3種類のロッドに分類され、ラインナップは結構クセの強いものが大半を占めているのが特徴でした。今でもそうですね。
もともとのコンセプトがトーナメント志向とは対極の、陸っぱりを中心とした趣味としての強いこだわりのあるロッドということになっており、これも今でも変わらず続いているのは周知のとおり。
ですが、前回紹介した98年のJBワールドプロシリーズでは、年間チャンピオンの小野俊郎プロはじめチームダイワの面々はこのハートランドZのソリッドパワースリムにラインナップされていた『601MLXS-S』というロッドを使用してダウンショットリグやスプリットショットリグをドラッギングして釣る『ヒュンヒュン・メソッド』なる釣法で次々と好成績を収め、小野プロは年間優勝までやってのけたのです。
つまり図らずもトーナメントの釣りとは対極にあるものを作ったはずが、トーナメントを制覇してしまったわけですから面白いものです。
(参考までに当時のタックルは、ロッド:ハートランドZ 601MLXS-S、リール:トーナメントZ 2500iA、ライン:フロロ3~4LB。これでロボワーム・リーチやアライブシャッド、バークレイのマイクロクローラーなどをダウンショットやスプリットショットでドラッギングする、というのを第3戦の池原ダム以外ではほとんど使用しているようです。)
さて、ハートランドを語るうえで欠かせないのが当然、村上晴彦さんです。
村上さんはこの前年にハートランドでの自身のプロデュースロッド第1弾を世に送り出します。以下の3種でした。
スモールプラグスペシャル(ソリッドパワースリム)
ハマスペシャル(マグナムテーパー)
ツネキチスペシャル(チューブラーパワースリム)
いずれも長さは6フィート7インチ。今の感覚ではそれほど長い竿という感じはしませんが、当時は7フィート台のロッドは各メーカー共かなり少なく、6フィート6インチからはロングロッドという感じでした。
この3モデルは当時非常に人気で(特にハマスぺは大人気でしたね)、前述のモデルと共にハートランドのブランドポジションを確たるものにしたと言っていいでしょう。
ちなみに、以降しばらくの間ハートランドZでは『~スペシャル』という名前のモデルがたくさん登場します(なお、スペシャルと銘打ってあっても村上さんプロデュースの竿というわけではありません)。
同時期に出た『ジャーキングスペシャル』『ジグヘッドスペシャル』から、村上さんプロデュースの『カワスペシャル』など・・・まあ、ハートランドファンの方であれば当然ご存知だとは思いますが。
そして翌年となる99年のこのカタログ、メインに登場するのが・・・、
ハマスピニングスペシャル!
これはいい竿です。
私は2008年に発売された復刻版(グリップ周りのデザイン以外はオリジナルと同じもの)を所有しているのですが、未だに愛用しています。何でもそれなりにいけて、感度もそこそこ、遠投できて、強く、よく曲がり、粘ります。
ここでは村上さんは『ミノーはちょっと?がつくけど』と書かれていますが、むしろ私は『全然いいじゃん!』と感じています。
確かにトゥイッチはしづらいものの、ベリーまで素直に曲がるのでノリがよく、全然バラしません。遠投もできるので細身のミノーではハマスピが大活躍しています。もちろんライトリグ全般にも。
でもボートでの釣りでは出番が無いので、やはり陸っぱりで。
デザインでは、セパレートグリップも特徴のひとつで、今では当たり前の仕様ですが当時はほとんど採用されておらず、このハマスピ以降に急速に広まった印象があります。
ハートランドZはブランクスが深い紫色、グリップがコルクで見た目も完全に大人向けという感じでした。おしゃれなんですよね~これが。今ではだいぶ変わっていますね。
というわけで今回はハートランドZ、でした。
カタログではこの他に2ピースのツネキチスペシャルや、この年くらいから始まった下位モデルのCXも紹介されています。
CXはCROSS-Xの略で、これ以前にハートランドXという下位モデルが存在したのですがこれに取って代わられたようです。
そしてこのCX、デザインが超カッコいいんです。
Xはエクスプライドやブラックレーベルのような、とてもシンプルな特徴のないデザインだったのがCXではブラウンに透き通るブランクスに緑のスレッドを差し色であしらった超オシャレロッドに。私も1本持っていましたが、買うとき店員さんが『カッコいいなコレ!!』って驚いてました(笑)。
※蛇足:昔のダイワ製品は各モデルの最上級グレードがZ、その下にX、一番下にSという分類がされていました。例えばハートランドは最上級の『ハートランドZ』、その下の『ハートランドX(CX)』となっているのですが、『ハートランドS』は存在しません。またバス用リールの『TD(チームダイワ)』は当時最上級のZは存在せず、『TD-X』が最上級で『TD-S』がその下。のちにTD-Zが最上級機種として追加されます。汎用スピニングでは殆どにZ、X、Sがあり、高級シリーズの『トーナメント』、中級『エンブレム』『リーガル』などがありました。このように分かりやすいようでいて、なかなかややこしいんですよね。
ふと裏表紙を見ていると、このカタログ、『¥200』の文字が・・・???
お金払って買ったんだっけ?と遥か昔の記憶をたどるも、恐らくCXを購入した時につけてもらったんだろう、と結論付けるに至りました・・・っていうかこういうのって全て無料だと思ってた・・・。