いよいよ10日からスーパーラウンドが始まったプレミア12、我らが侍ジャパンはオーストラリアとの初戦に逆転勝利。
非常に厳しい試合展開でしたが、最後の勝負どころで相手のミスに付け込み同点、そして奇策での勝ち越しといい攻撃が出来ましたね。
このスーパーラウンドでは台湾以外の4ヶ国と対戦し、6ヶ国のうち上位2つに入れば決勝へと進めます。台湾との対戦はオープニングラウンドの結果が引き継がれるので、現在日本は2勝0敗ということになります。ちょっと変わったシステムです。
さて、前回までアメリカ代表の内外野の選手たちを紹介してきましたが、今回は捕手。
3名なのですぐ終わります。
捕手登録選手(3名)
ドルトン・バーショ
10(C)23歳 右投左打
アリゾナ・ダイヤモンドバックス(AA)
2017年ダイヤモンドバックス2巡目戦力均衡ラウンド(全体68位)指名で入団
MLB公式TOP100プロスペクトランク100位、チーム内プロスペクトランク5位
MLB.comによるツール評価
Hit: 55 | Power: 50 | Run: 55 | Arm: 45 | Field: 50 | Overall: 55
今シーズン打撃成績(AA)
108試合 .301/.378/.520 18HR 58打点 21盗塁 OPS.899
TOP100の100位ピタリ賞がこんなところに!!(笑)
彼の父親、ゲイリー・バーショ氏はカブスやパイレーツなどでプレーしたメジャーリーガー。
それ故かは分かりませんが、バーショ選手はいわゆる『野球IQ』の高い選手である、と評価されています。
今シーズンはフューチャーオールスターにも出場。
打撃ではルーキーリーグからAAまでの3シーズンで.301/.372/.507と優れた成績を残しています。
選球眼に優れ、シャープなスイングからスピンを効かせた打法で球を飛ばすのが特徴で、積極的なアプローチながらファウルで粘るのも上手く、投手にとってはなかなか厄介な打者ですね。
また盗塁を得意としており、昨シーズンと今シーズンで計40個を記録。失敗は8と、高い成功率を誇ります。
反面、守備面の評価は高くなく、改善してきてはいるもののキャッチング、スローイングに課題を残しています。
その高い運動能力と打撃技術、そして野球IQの高さは豊かな将来性を感じさせ、捕手にこだわらなくとも外野やセカンドへのコンバートでメジャーを目指すことも充分に有り得そうです。
エリック・クラッツ
14(C)39歳 右投右打
ニューヨーク・ヤンキース(AAA)
2002年ブルージェイズ29巡目(全体866位)指名で入団
今シーズン打撃成績(MLBのみ)
21試合 .102/.170/.204 1HR 3打点 0盗塁 OPS.374
今年6月に39歳を迎えた大ベテラン。今大会のアメリカ代表において最年長の選手です。
2014年の前半戦はブルージェイズで川崎宗則選手と、その年の途中からはロイヤルズにトレードされ、青木宣親選手とチームメイトでした。
ここまで9つの球団でプレーしている息の長い選手ですが、昨年はブルワーズである程度出場機会を得ていたものの、今シーズン開幕前にジャイアンツにトレードされ、ほどなくしてレイズにトレード。しかし2週間余りで自由契約となるとヤンキースとマイナー契約。ここからメジャーの舞台へは上がっていません。
今シーズンはサヨナラフィルダースチョイスという珍プレーを呼び込んだ?のが唯一のハイライトですかね・・・他に代打でホームランも放っていますが。
2019 - Erik Kratz 18th Inning Walk-Off
フィルダースチョイスっていうか・・・。
クラッツ選手はメジャーリーグでのキャリアのほとんどを控え捕手として過ごし、最も出場の多かった2013年が68試合、昨年で67試合の出場です。
打撃では失礼ながら見るべきものはありません・・・と、言いたいところですが!
このプレミア12では韓国とのスーパーラウンド初戦を含むここまでの全ての試合にスタメン出場しており、12打数6安打3打点、ホームラン2本という驚くべき成績を叩き出しています。
なお、昨シーズンのディビジョンシリーズでも打ちまくっていたので短期決戦に強いのかもしれませんね。
マイナーでは二桁ホームランを何度か記録するなど決して打てないわけではなさそうに思えますが、メジャーでは打率は2割近辺、年齢を重ねた今では平均を大きく下回る打者という評価が妥当でしょう。
現在はヤンキースとマイナー契約を結んでいますが、やはり目指すはメジャー契約。おまけにいつヤンキースからリリースされてもおかしくないですから、この舞台では他球団へのアピールも兼ねて気合い満点で臨んでいるに違いありません。
ただし、クラッツ選手は本来、守りでの貢献が光るキャッチャーです。
fangraphsによれば、20試合以上に出場したシーズンでは全てディフェンスの貢献度がプラスとなっています。
中でもフレーミング技術は安定しており、昨シーズンのフレーミング指標は491.2イニングで+5.4という数値。フルシーズン換算するとメジャー指折りの成績です。また大ベテランになっても盗塁阻止率は高水準をキープしています。
ここ最近は『打てる捕手』よりも『守れる捕手』の重要度が急速に高まっている印象がありますが、持ち前の守りと経験で来シーズンのロースター入りはなるでしょうか。
来年には40歳になりますが、まだまだ頑張ってほしいですね!
テイラー・ガシュー
17(C)25歳 右投両打
ワシントン・ナショナルズ(AAA)
2014年パイレーツ4巡目(全体131位)指名で入団
今シーズン打撃成績(AAA)
74試合 .312/.358/.517 11HR 39打点 0盗塁 OPS.875
プロスペクトランクには2年前にチーム内23位に入った程度で現在は見当たらず、未だメジャー昇格も果たしていないスイッチヒッターのキャッチャー。
Gushue cracks two-RBI double for Harrisburg
マイナーではAAAまで上がっており、3シーズン続けての二桁ホームランを記録しました。今シーズン開幕前のスプリングトレーニングではバーランダー投手からホームランを放つなど、飛ばす力は充分に持っています。
守備面では100kg超えの巨体を活かしたブロックと素早い送球動作が特徴で、フレーミングもまずまず。肩は平均レベルですが、今シーズンは盗塁阻止率が20%と、それまでの年に比べて低下しました。
ナショナルズのキャッチャーはゴームズ選手がFAとなり、現在は来年までの契約が残っている大ベテラン、カート・スズキ選手と、ガシュー選手と同年代のリード選手、バレラ選手(プロスペクトランクチーム内18位)の3人が40人枠に登録されています。 来シーズンのナショナルズのキャッチャーは次のレギュラーを見極める年になりそうですが、なんとかここに割って入りたいところです。
トレードされそうな気もしますけどね。
以上、捕手3名の簡単な紹介でした。
投手は・・・多いしもう日本との対戦も終わってしまいますからねえ。(笑)
(※内野手、外野手の紹介はこちら)