baseballlll’s blog~カープとMLB。

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8/31 #respect

先週は、大きな出来事が続きました。

 

安倍晋三首相の、任期を残しての辞任表明。

MLBではジャッキー・ロビンソン・デーが例年とは違う日に開催され、その日にチャドウィック・ボーズマンさんが若くしてその人生を終える。

そして池江璃花子選手の、闘病生活からの復帰レース。

 

これらは私にとって、強い印象を残しつつも、どこか共通するところがありました。漠然としているのですが、たまたまTwitterで#respectというタグを見かけ、これに近いのかな、と思いました。

 

 

安倍晋三首相、7年余りもの長い間、大変お疲れ様でした。

評価は、まさに歴史が判断すると思いますのでそこは置いておいて。一国民として、労いと感謝の思いで今はいっぱいです。

難病との闘いの中で日本という国を背負う厳しさ、重責、孤独は第一次政権を担い、それを辞されたときに身をもって感じたことと思います。

それを再び務めるとは、命を賭ける覚悟でなければ到底できないことだと、私は思います。

第二次政権においては、いつからか『一強』と言われるようになったことが印象的でしたが、これは世の中が、そのような強いリーダーを求めていた証左であるとも言えるのではないでしょうか。

その中で当然良かったことも、悪かったこともあったと感じますが、これだけ長きに渡って支持され、また強烈に嫌われた首相を私はこれまで見たことがありません。各国の首脳とも堂々と渡り合う姿も含め、これぞ一国の宰相に相応しい人物だと、これまでを振り返ってそう思います。

辞任会見は拝見していましたが、無念さは本当に、痛いほど伝わりました。首相の仕事を終えた後は、まずはゆっくりと療養に努め、また元気な姿を見せてくださいね。

 

 

 

ジャッキー・ロビンソン・デー。

28日には、MLBで今年もジャッキー・ロビンソン・デーが開催されました。

今シーズンはコロナ禍で開幕が遅れたことにより、てっきり開催されないものと勘違いしておりましたが、例年の4月15日から、8月28日(映画『42』ではブルックリン・ドジャースとの契約にサインした日と描写されていました)に日を移して行われました。

 

www.nikkansports.com

 

人種間対立が増す現在のアメリカにおいて、ロビンソン氏の功績を称えるイベントが日を移してでも行われたことは、とても意味のあることだったと思います。

 

私は、ロビンソン氏の『一流になれ、そうすればものが言える』という言葉が好きです。どうしても、『黒人初の』という枕詞ばかりが強調されますが、それ以前にロビンソン氏は『一流の野球選手』でした。その一流の成績は、野球において肌の色など全く何の関係も無いことを、一切の感情を排した上でも示しています。

振る舞いも一流でした。差別を基にした攻撃を受けても、決して報復することをせず、自らの仕事でもって周囲を認めさせ、状況をポジティブにしようとした。それもたった1人で。

憎悪はどこからともなく生まれ、連鎖してなかなか消えないものです。それを自身のところで断ち切るというのは、大変に勇気がいることです。氏が行ってきたことは、人種差別という根深い問題に対してだけでなく、私たちの日々直面する色々な事に対しても大いに見習うべきところがあるのではないでしょうか。

ロビンソン氏の行いが正しかったからこそ、後にたくさんの才能ある者がメジャーリーグの舞台に立つことが出来ましたし、日本人選手も大いにその恩恵に浴しています。そしてそのおかげで私たちは、最高の才能たちの集まる野球を楽しむことが出来るのです。

年に一度、みんなの背番号が42となる日。氏の行い、人として正しい振る舞いを、今一度思い起こしてほしい日でもあります。

 

 

『42』

チャドウィック・ボーズマンさん、貴方が今年のジャッキー・ロビンソン・デーとなった28日に亡くなったことは、なんの因果でしょうか。

 

 

まだ若いのに、心から残念でなりません。

貴方のおかげで、前述したジャッキー・ロビンソン氏の差別に対する真剣で高潔な振る舞いを、映画『42』を通じてより多くの人々が知ることとなったと思っています。

ロビンソン氏を演じてくれて、素晴らしい映画を見せてくれて、ありがとうございました。

私はこの映画を、自分の子どもが物心つく頃になったら、必ず一緒に見ようと思っています。

 

42~世界を変えた男~ (字幕版)

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ロビンソン氏の活躍した時代、今から70年余り前の当然のように差別が存在する世の中。ですが、現在ではどうなのか?

 

手軽に情報の受信、発信が出来る現在では、その副作用の一つとしてSNSをはじめとしたインターネット上での誹謗中傷が蔓延っています。

たとえばちょっとTwitterで探してみるだけでも、見るに耐えない罵詈雑言が無限かと思うほど出てきます。

これに対し総務省は、誹謗中傷の発信元に対してIPアドレスだけでなく電話番号も開示請求出来るようにする方針を取りまとめているようですが、そこまでしないといけないほど現代人の教養や道徳心は薄れているのかと思うと、もはや情けないというほかありません。

 

映画『42』でボーズマンさん演じるロビンソン氏に向けられた、数々の差別発言や危険なスパイク攻撃、頭を狙った投球などは、70年余りの時を経て、インターネット上に漂う発信者の分からない誹謗中傷、罵詈雑言に変わって存在しています。

一体なぜ、私達はそれが愚かな行為であると随分と昔に思い知ったはずなのに、何ひとつ変わっていないのでしょうか?

 

 

 

池江璃花子選手、おかえりなさい。

池江選手、闘病生活を経ての復帰戦を無事に終えられ、おめでとうございます。

若くして大変な苦難に遭ったことに、ただただお見舞いの思いを募らせるばかりでしたが、復帰の一歩を踏み出せて本当に良かった。

 

テレビ越しに見る身体つきはまだまだ完全復活に時間を要することを物語っていましたが、これからも無理せずじっくりと臨んでほしいと思います。

レースは見事1着でのフィニッシュでした。

『アスリートとして、負けたくない気持ちが出た』とニュースで報じられたのを聞き、競技に出て勝負している以上、勝ちたいと渇望するのは自身の状況に関わらず同じなのだと気付かされました。その気持ちがある限り、きっと池江選手の望みは叶うと思います。

オリンピックの表彰台での満面の笑みを、私も楽しみに待っています。

 

 

安倍晋三首相。

ジャッキー・ロビンソン氏。

チャドウィック・ボーズマンさん。

池江璃花子選手。

 

お疲れ様でした。ありがとう。これからも頑張って。

たくさんの尊敬の想いが積み重なっていった、1週間でした。

 

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