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ジョーイ・ボット、途轍もない?記録。

打者が凡退するとき、その結末としての記録は色々ありますが、それでも種類は限られています。ショートゴロ、サードライナー、センターフライ・・・。

1シーズンを過ごしたある選手が500打数150安打の3割打者だったとして、残りの350打数は凡退しています。350もの凡退があれば、その中でアウトのパターンは一通り網羅していそうなものです。9つのポジション×ゴロ、フライ、ライナーの3パターンと計算するとたったの27通り、プラス三振や守備妨害(これはレアですが)などしかありません。

まして、それを13シーズン、3,500回ほどの凡退を経験した選手となると尚更のこと、経験していないアウトのパターンなどある筈が無い、と思いますよね。

 

シンシナティ・レッズに所属するジョーイ・ボット選手。レッズ一筋13年、カナダ出身で右投げ左打ちの一塁手である彼は、35歳で迎えた今シーズン、4月18日のドジャース戦でキャリア6,828打席目にして初のファーストフライ(ファウルフライ)を打ち凡退しました。

なんとも奇妙な記録ですが、途轍もない記録でもあります。

 

ファーストフライは別に珍しいアウトでも何でもなく、例えば昨日の巨人ー広島戦では坂本選手と炭谷選手が1つずつ記録しています。1試合で1つ2つ程度は普通に見られる身近な凡退パターンと言えるでしょう。それをなんと13年、6,828打席を迎えるまで打ったことが無いというのですから、これは大変な記録ですね。もともとボット選手は、内野フライを滅多に打たないことで知られています。平均するとだいたい1シーズンに2〜3本くらいでしょうか。1週間でそのくらい打つ選手も普通に何人でもいそうな気がします。

 

 

ナ・リーグMVPの獲得経験もあり、オールスターの常連であるジョーイ・ボット選手。キャリア通算打率は.310、出塁率は.426、OPS.954で270本のホームランを打っているMLB屈指の好打者です。現在は35歳、ベテランの域に達していますが、今シーズンここまではやや不調。昨シーズンも出だしは低調でしたが、シーズン終わってみればホームラン数は落ち込んだものの流石の高出塁率を残しましたので、今年も心配ないでしょう。

 

何と言っても素晴らしい選球眼が特徴で、昨年までのメジャーでのキャリア12シーズンで9度の出塁率4割超えを記録。バットを短く持ち、広角に打球を飛ばすラインドライブヒッターですが、シーズン20〜30本のホームランも打てる長打力も持ち合わせています。常に冷静沈着な打席でのアプローチを見せ、『ビッグデータ・ベースボール』でも攻略困難な天敵として書かれています。


あまりに選球眼が良いので、3ボールなのに四球を宣告され、本人含め誰も間違いに気付かずにプレーがそのまま続いたこともあります。また、イチロー選手のマーリンズ時代、試合前に突如クラブハウスに51枚ものピザを送りつけたのは彼でした。


レッズには日本人選手が在籍したことがなく、日本では馴染みの薄いボット選手。しかし打撃は達人の域、歳を重ねて更なる進化を見せるのか、注目ですね。

 

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