セ・パ、共にクライマックスシリーズに決着がつきました。
セではリーグ優勝を果たした巨人が、パでは3季連続でソフトバンクが日本シリーズに進出しました。
巨人が久しぶりのセ・リーグ日本一となるのか、ソフトバンクが連覇を果たすのか、楽しみですね。熱戦を期待します。
さて、ひと足早くというかふた足早くというか、ポストシーズンにすら臨むことなくシーズンを終えてしまったカープ。
ここでは各選手のシーズン成績を、昨シーズンとの比較を交えてひとりずつ振り返ってみたいと思います。
成績や数値はNPB公式、スポーツナビ、DELTA Inc.、データで楽しむプロ野球から引用させていただきました。
まずは名実ともにチームの顔となった感のある、鈴木誠也選手。24歳で臨んだシーズンでした。
※太字はキャリアハイ
※昨シーズンとの差異は良化が赤、悪化が青
※NPB、リーグ欄は規定到達打者内の順位
今シーズンはレギュラー定着後、初めてと言える開幕から離脱なくフルシーズンを過ごした1年でした。
チームの成績が振るわない中、両リーグトップのWARを記録し、日本プロ野球界で最高の野手として過ごしたシーズンと言えます。
打撃
打撃では今シーズン、首位打者を獲得。初の主要タイトルとなりました。最高出塁率も同時にゲット。
OPS、得点も両リーグトップ。キャリアハイの数字を複数記録し、各成績の多くがリーグ上位に入っています。
OPSは 2シーズン連続3度目の1.0超えという凄さ。
現在、日本プロ野球界最高のスラッガーの1人と呼べるのは間違いないでしょう。
丸選手のFAにより成績の内容にも変化が見られます。
前を打つ選手の出塁率低下の影響で打点の数が減り、またマークがより集中して勝負を避けられやすくなり、四球が増えました。
BABIPが高止まりしていますが、打球の速さと脚力の高さという平均より高い数値で安定する要素を持ち合わせており、今後も故障や衰えが無い限りはこのように推移していくのではないかと思われます。
また、三振率が大幅に改善したことは今シーズンの数字上の特徴です。深いカウントまで待つことの多いスタイルが特徴ですが、優れた選球眼は相変わらずでコンタクトにも磨きがかかり、より攻略の困難な打者へとレベルアップを遂げています。
打線全体が低調だった春先によく打ちチームを牽引。交流戦時期に調子を落としたものの、以降はまた安定してよく打ちました。
夏場までは四番として、バティスタ選手の出場停止処分以降は三番として、いずれもポイントゲッターにチャンスメイクにと攻撃においてあらゆる役割を果たしたシーズンでした。
年々、見た目もメンタルも逞しさが増しているように見えますね。本当に頼もしいです。
守備・走塁
打撃における成績は前述のとおり素晴らしいものでしたが、今シーズンの鈴木誠也選手は何といっても足の故障が全快したことによる守備走塁のパフォーマンスが戻ったことが印象的ですね。
守備では、昨シーズンは守備範囲が大きく狭まってしまったことにより指標が平均を大きく下回る低さだったのですが、今シーズンはまた素晴らしい数値を記録。2016年シーズン(11.6)以来の出来でした。
走塁でも昨シーズンから爆発的な盛り返しを見せています。UBRはキャリアハイ。
足の状態については、昨シーズンと比べると目に見えて走りの動作の違いが分かりましたし、鈴木誠也選手自身にとっても、また走れるようになったのは非常に大きいことでしょうね。
ただし盗塁では貢献度が2シーズン連続マイナスとなっており、25盗塁を記録してはいるものの『しない方が良かった』という水準にとどまっています。
キャリア通じて盗塁成功率は低く、今シーズンはトリプル3が視野に入ったこともあり積極的に盗塁を試みましたが、そのぶん両リーグワーストの盗塁失敗も記録してしまいました。
これら成功率の低さと怪我のリスクなどを考えると、盗塁の数が来シーズン以降は少なくなる可能性もあります。
鈴木誠也選手自身は走るのが好きそうに見えますけどね。
MVP級の活躍!!
今シーズンは走攻守、いずれにおいても素晴らしい成績を残した鈴木誠也選手。
昨年の日本シリーズでは大暴れでしたが、あのときの経験がまたひと回り成長させたのでしょうか。
打席を見ているファンなら誰もが感じていると思いますが、まだまだ彼には伸び代があるように見えます。
来シーズンも日本球界ナンバーワン野手として、異次元の成績を見せてくれそうな気がしますね!