全試合、テレビ観戦していました。
ホークスの強さだけが際立っていたシリーズでした。
初戦から既に、4タテが現実のものとして見えてきていたと思います。
ホークスと巨人のスタメン、ベンチ入りメンバーを見てみると、明らかな戦力差がありました。
まず先発投手。
ホークスはエース、準エースクラスを3〜4枚並べることが出来るのに対して、巨人は菅野投手以降の投手の実力が大きく落ちます。
今シーズンは戸郷投手がブレイクしましたが、シーズン終盤に調子を落としたことでシリーズではリリーフに回っています。その戸郷投手が敢闘賞を得る結果となるとはなんとも皮肉なものですが、そのときの調子が優先される短期決戦ではこの配置もやむを得なかったでしょう。
攻撃陣では実力者、伸び盛り入り混じった層の厚さを見せたホークスに対し、中軸以外は迫力に欠ける巨人という構図でした。
結果としても全員がよく打ったホークス、中軸はしっかりと対策されて沈黙し、それ以外は実力通りに抑えられた巨人。
采配、戦術、経験などの細かい要素以前の話で、大軍が一部隊を押し潰すがごとく、ただただ圧倒していました。
これで日本シリーズ四連覇となった福岡ソフトバンクホークス。
現代野球で『強いチーム』を維持し続けることが本当に本当に本当に難しいことであることは、リーグ三連覇とその後を経験したカープファンとして痛いほど理解しているつもりです。
しかしホークスは、育成選手や今シーズンの内川選手の処遇に象徴されるように、強さを維持するための方策を躊躇なく採ることが出来る。ときに血も涙も無い選択が、勝利をもたらす。そんな印象を持っています。
三連覇の余韻から次の段階に踏み出せず、予想通りに弱体化したカープを見てきたので、ホークスは羨ましくもあり、また怖くもあります。
日本シリーズはまた、巨人の戦力を冷静に見る機会も与えてくれました。
シーズン前から今年もリーグ優勝の大本命は巨人だと信じて疑わず、またその通りにもなったのですが、今の顔ぶれを見ると決してセリーグの中においては圧倒的な戦力であるとも言えないことに気付きました。
そして巨人は、坂本選手や丸選手が年齢的にそろそろパフォーマンスを落とし始めてもおかしくありません。
つまり、三連覇後のカープと同じ状況に陥る可能性が高いのではないかと思います。
しかし、ライバルは巨人だけではありません。
今シーズンなぜあんなに振るわなかったのか不思議で仕方ないDeNAや、きっかけを掴みかけている中日、阪神、また最下位に沈んだヤクルトだって決して侮れません。
そして何より、唯一の望みである日本一を成し遂げるにはあの信じられないほど強いホークスか、もしくはそれを退けてきたもっと強いチームと戦って勝たねばならないのです・・・一体誰が、セリーグを代表して戦い、あえなく散った巨人を笑うことが出来るでしょうか?
日本一への道は、とんでもなく厳しそうです。
福岡ソフトバンクホークス、日本シリーズ四連覇おめでとうございます!!