最初から最後まで、勝てる流れだろうと思い込んでいるままに試合が終わってしまいました。
終盤まで両チームスコアレスからの0-1負けで惜しかったように見えますが、逆に今のドラゴンズの有力な勝ちパターンがこれではないかと思いました。
投手陣が0に抑え、攻撃はひとつのチャンスに賭ける。9回までいけば鉄壁のクローザーで勝ち確なわけで、いかに8回までに1-0の状況を作るか、そこだけを見据えたような作戦・選手起用だったように感じます。
カープは現状とても心細い打線なので、これを打破しなければ昨年同様ドラゴンズには苦しめられることになるでしょう。惜しかった、ではなく、要注意のパターンです。
良かった点に目を向けると、まず目立ったのが矢野選手の守り。
本日はショートで2回の6-4-3、8回の2-6-3と二度のダブルプレーで目を瞠る動きを見せました。
2回はやや三塁側に身体を向けてシングルハンドで捕球、そのまま真反対の方向へ軽やかにスローイング。
8回は坂倉選手からの送球を一塁走者の動きを見つつベース前で捕球、前方に倒れ込み気味の体勢で一塁へナイススロー。
まあ彼にしてみればどちらのプレーも朝飯前なのでしょうけど、捕球から送球への動作とタイミングを測る視野の広さ、ランナーの動きから立ち位置を判断してスローイングの体勢を決定する、これらの一瞬の中に様々な要素と判断が要求される一連のプレー。
このブログに書いたかTwitter(X)に書いたかもう忘れてしまいましたが、矢野選手はプレーの中で生じる一瞬一瞬の判断や動作の中に、信じがたいほどの『余裕』を感じるんですよね。
走塁のときもそう。一瞬の隙をついた好判断のはずなのに、その一瞬にまるでリスクを取っていないかのような、不気味なほどの余裕がある。
そしてその身のこなしや状況判断が、『どう見ても尋常ではない量の練習を積んできている』というのが容易に見てとれます。
いや練習と言うよりは、前田智徳さんの言葉を借りて『訓練』と言うほうが相応しい。
まさに達人の域です。
ショートのレギュラー争いは半ば決したように見える中、次代を担うカープのアイコンとしては当然ながら『ショート・小園』の方が映えるわけですが、守備だけに関して言うと年々良くなっている小園選手でも勝負にすらならないレベルの歴然とした差があります。
個人的には、たとえ打てなくとも矢野選手をショートのレギュラーとして固定する価値は十二分にあると思いますね。ただし今のところ打順は8番以外あり得ない感じですけども。
小園選手は守りの負担が少ないポジションに回ってもらって、超攻撃型野手としてカープを引っ張っていってほしいです。
今日は他にも九里投手、最後の凡ミスはあったにせよ田村選手もポジティブな内容でした。
足りなかったのは・・・、まあでも昨日と展開は似てたな。
こんな日もありますよね。